エッセイ「ギュッ!な物語」

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ギュッ!な物語 Hugしたくなったその瞬間

Story. 010 最高の街 ローマ

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 「真実の口」Bocca della Veritàといっても、ピーンとこない人には、『ローマの休日』のあのレリーフのライオンに手を咬まれる名シーンといえば、「あ〜 あれね〜」 ニヤニヤということになる。もしかするとローマ三越店の〜とニコリとする方もあるかもしれませんが、いやいや、ローマ三越の「真実の口」はイミテーション。本物はローマのサンタ・マリア・イン・コスメディン教会にあるのでお間違いのないように。何とあのライオンの像に手をかまれるシーンは、俳優グレゴリー・ペックのアドリブだというから驚き。


 物語の始まりは、親善旅行中に、その堅苦しさからローマの街へと逃げ出すアン王女(オードリー・ヘップバーン)のわがままから始まる。そこで知り合ったのが新聞記者のジョー・ブラッドレー(グレゴリー・ペック)。アン女王を誰とも知らずに自宅に連れ帰るも、その正体がわかりジョーは大あわて。
 しかし冷静さを取り戻し、素知らぬ顔をしながらもアン女王の決定的なシーンを撮ろうとするジョー。ローマの名所旧跡をベスパに二人乗りして巡り、ジェラートを頬張り、夜のダンスパーティに顔を出す。思いっきり愉しんだあとは切ないお別れシーン。
 「ここで降りますわ。わたしはその先の角を曲がります。あなたはこのまま帰って。わたしの行き先を見ないと約束して。振り返らないで・・・」

 親善旅行も何とか終わりを迎え、記者団に囲まれ質問を受けるアン女王。
「どこがいちばんおもしろかったですか」
「どこにもそれぞれ良いところがあり・・・いや、ローマです。なんといってもローマです。わたしはこの街の想い出をずっと懐かしむでしょう」
 
 記者会見の会場でアン女王は、ジョーの本当の職業を知り、そうしてお互いに目線の動きだけでさよならを告げる。そのシーンは何度観ても思わず目頭が熱くなります。思わずギュッ。

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